2006年12月6日
 
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┏━┫ 週刊 自転車ツーキニスト "Weekly Bicycle Tourkinist" ┣━┓
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    【まだまだ続報】そもそも歩道通行こそが危険な273号
 
■古倉委員、ありがとう♪
 
 まだまだこの問題にコダワッていくヒキタであります。
 さて、今回の提言を出した警察庁肝いりの「懇談会」には、言い訳のように付け加えられた古倉宗治さん(財団法人土地総合研究所理事)という委員がいましてね。私も自転車関係のシンポジウムなどでお会いしたことはある。自転車派の論客の一人だ。
 この古倉さんが孤軍奮闘してくれたのだ。
 周囲はほぼすべてが「敵」。結論を持っていく先は「最初から決まってる」。
 それなのに、そこを押し戻し、押し戻し、頑張ってくれた主役の一人が彼だ。
 ありがとう、古倉さん。
 
 その古倉委員が、今回の「提言」「資料」「概要」「要旨」の中に、置き土産を残していてくれた。
 "資料8"というのがそれだ。見てみていただきたい。
 
 
 警察官僚たちは、膨大な資料の中に紛れ込ませて、気づくまいと思ってるんだろうが、この"資料8"は、今回の提言のそもそもの論拠を吹っ飛ばす破壊力を秘めているのだ。
 
■北米公的機関による複数の指摘
 
 アメリカという国は、先進各国の中で、日韓と並んで、自転車化が遅れている国なんだが、それにしても、実践はさておき、ちゃんと自転車のことは理解しているといえる。
 次にあげるのは皆、米国の公的機関が出している「自転車マニュアル」からの抜粋である。
 
▽米国連邦交通省出資法人「自転車情報センター」
 
 自転車の歩道通行は、自転車とクルマの衝突事故の重要な原因です。歩道通行は(自転車にとって)危険であるということです。
 
▽ペンシルバニア州交通省
 
 歩道はクルマが通らないので、自転車にとっては安全だと思っている人が多い。だが、残念ながら、歩道は安全ではありません。仕方がないとき以外は、歩道を通らないようにしましょう。
 
▽オレゴン州交通省
 
 一般的には自転車は歩道を走行してはいけません。多くの自転車とクルマの衝突は歩道で起こっています。
 
▽フロリダ州の自転車マニュアル
 
 歩道を走行している人の方が、車道を走行している人より、クルマにぶつけられる可能性は高いのです。
 
 同様の指摘は、カナダでもある。
 
▽カナダ・サスカトーン市「自転車マニュアル」
 
 歩道は歩行者のものです。歩道では自転車を押して歩きなさい。歩道を走行すると、クルマとの衝突や、クルマにはねられる可能性が高いのです。
 
 一読、奇妙に思われるだろう。だが、あなたが奇妙に思った点は、決して読み間違いではない。
 各団体が共通して指摘するのは「自転車が歩道を通行すると、自転車と『クルマの』衝突事故が増える」という事実なのだ。
 
 これはウソのように聞こえるが、真正の本当であって、ヨーロッパでも、この意識は徹底されている。
 
「歩道走行は安全なように思えて、実は自転車にとって危険。なぜなら車との衝突事故が増えるから」
 なぜそのようなことになるのだろう。
 
 理由は、自転車の歩道走行は「出会い頭」の元凶だからだ。
 歩道を通行する自転車はクルマの側から視認しにくい。
「歩道沿いには、樹木や、生け垣、駐車車両、建物、玄関口があり、それらが盲点をつくっている(ペンシルバニア州マニュアルから)」からだ。
 それが、こと交差点にかかると、その見えない歩道から、自転車は外にでなくてはならない。そこに自転車事故の主たる原因がある。
 これこそが、いわゆる「出会い頭」というヤツだ。
 
 その「出会い頭」の事故が、自転車事故の大多数を占めていることは、警察庁も認めているとおり。
 自転車はむしろクルマから容易に視認できる場所、すなわち、車道の方が安全だ、という逆説的事実が、厳然としてあるのである。
 
 自転車の歩道走行を認めている唯一の国・日本が、先進各国中、「自転車乗車中事故率」が、圧倒的にナンバーワンの謎。それを解くカギがここにある。
 
 諸君、頭に叩き込んで欲しい。
 歩道通行は、歩行者にとってはもちろんのこと「自転車にとっても危険」なのだ。
 
■それなのに警察庁はこう書く
 
 さて、この圧倒的な事実に付随して、本「提言」のゴマカシが、また発見された。
 提言が「自転車の車道通行は危ない」という(ほぼ唯一に近い)根拠にあたる部分である。
 
歩車道が分離されている道路での単路の事故(自転車が横断中の事故を除く。)114件のうち74%が(84件)が車道での事故であった(表11)。
 
 お分かりだろうか。
 横断中の事故を除く、つまり、普通に走っている際に起きた114件の事故をとって、74%が、車道の自転車の事故だ事故だ、車道の事故だぁぁ、と言っているのである。
 当たり前ではないか。
 クルマは歩道にはいないのである。
 交差点にも入らず、横断中でもない自転車事故なら、最初から歩道にいる自転車が事故に遭いにくいのは当然である。
 私はむしろ残りの26%の「歩道で起きたクルマ対自動車の事故」の方が不思議だよ。どんなにバカバカしい気違いグルマの事故なのか(いや、本当は車庫から出てくるクルマとか、そういう話なんだろうけどね)。
 
 自転車事故の危険は、事故のほとんどを占める「出会い頭」にこそある。
 そして、その出会い頭を誘発するものこそ、「歩道通行」なのである。
 
■論理破綻は極まった
 
 もう、論理は破綻しまくりだ。
 自転車の歩道通行は、一義的には「歩行者にとって危険」。
 そして、二義的には「自転車にとっても危険」。
 
 ということは、いったいこの提言は誰のためなのだろうか。
 それなのになぜ警察庁は法案をごり押しするのか。
 こうまでして、車道から自転車を追放したいわけとは何か?
 
 理由はある。鋭い人にはだいたい見当がついていると思うけど、その話は、また次号。
 
 ついでにいうと、ことここにいたって、私は私自身の封印を解くことにした。現在、弊社のテレビ1番組、ラジオ1番組でこの問題を調査中。私はすべての情報を開示する。
 
 それからこのメルマガをご覧のメディア各社の皆様。
 私はどこにでも出ます。または誰でもご紹介します。
 私には学習院の非常勤講師(自転車学)という、便利な肩書きがありますから、そんなに不体裁にならないはずですよ。